太陽光は正義か悪か?メリットはビタミンDだけじゃない!

「日光といえばビタミンD」というのが世の中の認識だと思います。
そして、ビタミンDが骨を丈夫にしてくれる、ということも広く知られています。
ビタミンDは他にもたくさんの重要な効果がありますが、ここでは割愛します。

一方で、シミ・そばかす・皮膚がんの原因になる、と紫外線を危険視する意見もあります。

どちらも正しい認識だと思います。
しかし、ここで気になってくるのが、

「結局どれくらい浴びればいい?」
「浴びすぎはよくない?」
「家の中で日当たりのいい場所にいればOK?」

ではないでしょうか?

この記事では上記の疑問に答えつつ、

ビタミンD以外のメリットについても解説していきます。

ビタミンDのために、どれくらい浴びればいい?

1日に必要なビタミンDは15μg以上と言われていますが、食事から摂れる目安は5μg。
不足分の10μg~は日光かサプリで補うことになりますが、やはり日光浴のほうが効率が良いと言われています。

結論からいきましょう。下図をご覧ください。
1日分のビタミンDを生成するための所要時間と、悪影響の基準です。

東京(普通)・正午(強い)
衣服から出ている部分7月(強い)12月(弱い)
全裸1分6分
顔+腕+足2分10分
顔+腕4分30分
顔+手10分70分
悪影響ライン20分以上80分以上
紫外線環境保険マニュアル2020の巻末資料より算出

これは一例です。紫外線の強さは場所・時間・季節・来ている服・などによって異なります。
当然ながら、夏にもっとも強く冬は弱まります。
時間帯は正午の前後がもっとも強くなります。
同じ条件でも、札幌は弱く、沖縄は強くなりますので参考まで。

また、肌の色によっても異なります。上図は白人種がベースになっております。
日本人は白人種より耐性があるので、悪影響ラインに少し余裕があります。

着目すべきは表の下半分です。(夏でも全裸はありえないし、冬は露出が少なくなるのが普通)
7月と12月でかなりの違いがあるのがわかります。
これは夏と冬では紫外線量が4~5倍も違うからです。

とくに注目なのは「7月・悪影響ライン」と「12月・顔+手」のブロックです。
冬は不足しがち、一方で夏は防止対策が必要、という結果になります。

冬は浴びれるだけ浴びる

夏は普通にすごしているだけでも必要量を摂取できますが、冬は積極的に日光を浴びる必要があります。

それにしても、クリア条件が70分というのはなかなかの難易度。
毎日1時間の散歩できればいいのですが、人によっては難しいはず。

「手のひらだけ・1日20分・週3回」という情報もありますが、冬はこれでは足りないです。
もちろんやらないよりはやった方が絶対に良いですが。

家の中で日当たりの良い場所にいればいい?

残念ながら日当たりが良くても、窓ガラスごしではビタミンDは作られません

地上に届く紫外線には2種類、UV-AとUV-Bがあります。
ビタミンDはUV-Bからのみ作られますが、窓ガラスで遮られてしまいます
ビニールハウスもダメみたいです。

窓を開ければOK

こまめに窓を開け、顔や手(できれば腕まで)を日光に当ててください。
紫外線がもっとも強い(=暖かい)、10時~14時をねらいましょう。

1時間ごとに5分ずつ腕まで当てられれば、何とか必要量に達します。
換気にもなります。
※窓から離れてもカベや床から反射されますが、強さは10~20%程度になってしまいます。

書いてて思ったんですけど、やっぱりかなりシビアですよね?
でも頑張ってください_(._.)_
(めちゃくちゃ薄い巨大なセロハンを使うのはどうかと思いましたが、現実的ではないので却下。)

夏でも悪影響はそこまで気にしなくてよい?

夏は紫外線を20分以上浴びると悪影響が出るようですが、そこまで気にしなくていいと思います。
というのも、紫外線はデメリットよりもメリットのほうが大きい傾向があるからです。

そもそも7~8月の猛暑、しかも真昼に、わざわざ外に出ることありますか?
むしろ熱中症が心配です。
とりあえず日陰(紫外線量50%減)に入るようにしてください。

まず、紫外線の悪影響(主に皮膚と目)と対策についてまとめます。

【紫外線による人の健康への悪影響まとめ】
急性的・・・日焼け、免疫抑制、角膜炎など
慢性的・・・光老化(シミ・そばかす・たるみ)、皮膚がん、白内障など

皮膚がん

この中で、一番怖いのは「皮膚がん」だと思います。
しかし、「皮膚がんの治療は難しくない」という意見がまず一つあります。

そして衝撃的なのが、「皮膚がんの人でも平均寿命より長く生きる傾向」という研究結果があります。
なぜかというと、太陽の光を浴びる時間が長い人ほど寿命が長い傾向があるからです。

免疫力についても、紫外線の抑制よりもビタミンDの効果の方が上回っているようです。
このように、日光はデメリットよりもメリットのほうが大きいようです。

角膜炎・白内障

他に気をつけるとしたら「目」です。
高齢者は目に対する影響が大きくなるのでガード推奨です。
日傘・帽子・透明なサングラスが対策として妥当と思われます。

ちなみに紫外線量は少しずつ(10年で約4%ずつ)増加しているらしいです。
「だから何?」って言われそうですが、そういうの気になる人もいるかな?と思いまして。

紫外線のメリット「一酸化窒素」のはたらき

最後に、ビタミンD以外の紫外線のメリットについてです。
皮膚が日光を浴びると、一酸化窒素とやらが血管内に放出されるらしいのですが、

・血流を改善し、血圧を下げる働きを持つ。
・新しい血管を作る作用があり、心疾患のリスクを大幅に下げる。

という効果があるらしいです。
特に高齢者にとっては重要ですね。
素晴らしい。やはり日光には様々な恩恵があるんですね。

ちなみに一酸化窒素はUV-A(窓ガラスで30%カット)からも作られます。
冬でも日当たりがよければ、窓を閉めていてもOKです。やったね。

まとめ

・冬はできるだけ浴びる(できれば1時間以上)
・日当たりが良くても、窓越しではビタミンDは作られない(UV-B)
・夏でも悪影響は気にしなくていい(紫外線はメリット>デメリット)
・皮膚がんの人でも平均寿命より長く生きるという研究結果
・高齢者は目、女性は顔をガード推奨(日傘・帽子・サングラス)
・日光で血圧が下がる(by 一酸化窒素)

とにかく冬が課題です。
冬は「うつ」や自殺が増えると言われていますが、慢性的な紫外線(ビタミンD)の不足とも関係があるようです。

現代人の我々にとって必要なのは、冬の日光浴そしてUV-Bを遮らない窓ガラスの開発です。

マインドマップです。よろしければどうぞ。

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