白米を玄米に変えたら、かえって便秘になった人の話

「白米のかわりに、玄米を食べるべし!」

これはずっと以前から言われていて、様々な本にも書かれております。
科学的根拠も十分です。

基本的に、小麦や白米など、精製(加工)されたものは体に良くないらしいです。
(そういえば、牛乳も「脂肪をカットしたものは体に良くない」という話もありました。)

しかし「玄米さえ食べていれば大丈夫!」という考えは少し危険かもしれません。

玄米食にする上で、気をつけるポイントがいくつかあります。
私自身の経験もふまえ、まとめていきます。

玄米で便秘になることもある?

玄米を食べていると、便秘になるリスクがあるようです。

実際に、私の周りにも便秘になった人がいます。
私の父です。
「玄米に変えてから、お腹が張って苦しいんだよね。」とのことでした。
最初は私も「そんなバカな。玄米は白米と違って食物繊維が豊富のはず。便秘になるわけないだろ。」
と思っていました。

ところが、この食物繊維によって、かえって便秘になることもあるようです。

食物繊維には2種類ある

そもそも、食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類があります。
どちらも体に良い効果です。

【水溶性】
・糖の吸収をゆるやかにする(血糖値の急上昇を防ぐ)
・吸着性があり、水に溶けて便を柔らかくする
・イモ類、果物類、海藻類など

【不溶性】
・善玉菌のエサになる
・水分には溶けず、便量を増やして腸を刺激することで便通を促進
・野菜類、穀類、豆類、きのこ類など

そして、玄米は「不溶性」の食物繊維を多く含みます。

「不溶性」ばかりで「水溶性」が不足


不溶性ばかり摂りすぎると、かえって逆効果になるリスクがあります。
お腹が張って苦しくなり、老人性便秘や内臓下垂を伴う便秘等を助長してしまうんだとか。

つまり、玄米(不溶性)では便の量は増えるけど、そのままでは硬くて外に出せない。
「せっかく部屋の掃除をして大きなゴミ袋を作ったのに、ドアが通らず外に出せない。」
という状態になってしまいます。
ヨシダ父はこのケースだったわけですね。

このように、食物繊維はどちらかだけでなく、両方をバランスよく摂取する必要があります。

そもそも、現代人は「水溶性」の食物繊維が不足しがちだそうです。
この状況下で玄米食にしてしまうと、不溶性>水溶性となってしまいます。
白米であれば、不溶性過多になることはないかもしれません。
しかし、ここはやはり水溶性の食物繊維をしっかり摂るようにしたいところ。
こんぶ・わかめ・こんにゃく・果物などを、食べるようにしましょう。

よく噛まないといけない

まぁ、白米よりは硬いので、よく噛まないといけないのは当たり前ですよね。
じゃあ、どれくらい噛めばいいのか?
ネット調べになってしまいますが、大体60回~のようです。
通常の食事も「一口30回推奨」(by 日本歯科医師会)と言われているので、妥当かなと思います。
でも、ちょっと多い気がしますね。

なかには、
「100回噛まないと栄養が吸収できないよ。」という話もありました。
いや、100って・・・、なかなかインパクトがある数字ですよね。
根拠もあるのかもしれませんが・・・。
もはや苦行。

ちなみにヨシダ父は、白米と同じ感覚で食べていたわけですね。
愚かですね。
そもそも、普段からあまりよく噛んで食べておらず、
「俺は歯が丈夫だから、噛まなくてもいいんだ。」という謎理論を展開しております。
もう、勝手にすればいい。

対策

まず
①水溶性の食物繊維を摂る
②よく噛む(60~100?)

これ以外の対策としては、

脂質を摂る
脂質は腸内のすべりを良くし、便の通りをスムーズにします。
オリーブオイルや魚の油などを食べましょう。
最近の流行りのオメガ3脂肪酸も摂れます。
サバじゃなくても良いので、旬の魚を食べてください。
※肉の油は、肉のカスが腸内に溜まる傾向があるので却下。

運動する(歩く)
腸を刺激して動きを改善するためには、運動も必要です。
特に、歩くことは物理的な刺激だけでなく自律神経も整えるので、腸の蠕動(ぜんどう)運動にかなり効果的です。

高齢者には不向き?

これまでの理屈から、高齢者には玄米食を強く薦めることはできないと考えます。

なぜなら、
・義歯や顎の力に問題があり、しっかり噛むことができない
・筋力やフラつきがあり、あまり外を歩けない
・そもそも排便が困難で、下剤などでコントロールしている
というケースが多いからです。

このような条件下で玄米食にしてしまうと、先の老人性便秘のリスクを高めてしまいます。

そもそも、高齢者は好きなものを食べた方がいいです。

まとめ

・玄米に含まれる「不溶性」食物繊維ばかりでは、便秘になるリスク
・現代人に不足しがちな「水溶性」食物繊維を摂ろう
・玄米を食べるときは、よく噛む(60回~)
・脂質や運動(歩く)で、腸の動きを改善
・玄米は、高齢者にはオススメできない

私は父の件と残留農薬への心配から玄米食を止め、現在に至ります。

しかし、玄米が体に良いのは間違いない事実です。
現在は、無農薬のものも手頃な値段で買えるようになりました。

今は息子が生まれたばかりの状況で難しいですが、また玄米食に戻そうと画策中です。

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