高齢の家族に運動してもらうために、たった一つやるべきことは?

介護をしている皆さんへ。
いつもお疲れさまです。

さて、私の勤務するデイサービスの利用者のご家族から、このような相談をされることがあります。

「お母(父)さんが運動してくれない。」
「お医者さんからも運動しろと言われているのに。」
「どうすればいいの?」

もし、同じような悩みでお困りの方へ。

一つだけ試してもらいたいことがあります。
リスクはゼロです。

自らも一緒に運動する

それは、介護している人も自ら運動することです。

「ご自身は運動なさってますか?」と伺うと、「特にはしていない」という方がほとんどです。
「お前はなにを言っているんだ?(゜-゜)」と、こんな顔になる方もいらっしゃいます。

運動が必要なのは高齢者ばかりではありません。誰にとっても運動は大切。
運動習慣を身に着けておくことは、あなた自身の長期的な利益にも繋がります。
そして自ら運動する姿を見せることで説得力も増し、「人に指図ばかりして・・・」という印象もなくなります。

定期的に運動している高齢者は、そのご家族も活動的であることが多いです。
一緒に体操をしたり、散歩や買い物に行ったりしています。
(私もコロナ前は90歳をこえる祖父と一緒に体操をしておりましたが、イヤイヤながらも付き合ってくれました。)
なかには「旅行に連れて行ってもらった。」という高齢者の方もいらっしゃいます。
さすがに直後は疲労感は残っているようですが、それでも表情はハツラツとしています。
また、この時に体力測定(下肢筋力や片足立ちなど)を行うとスコアが良くなっていたりもします。
アメージング。

介護するご家族の方も、ぜひ一緒に運動してみてください。

ところが、
「簡単に言われても困る。」
「そんな余裕はない。」
と思われるかもしれません。

確かに、そのとおりです。
介護をしている皆さんは、気力も体力も消耗しきっている状態のはずです。
そんな中で「一緒に運動する」
これは決して簡単ではありません。

工夫する必要があります。

「バカバカしいほど簡単な運動」からはじめる

高すぎる目標はほぼ挫折します。
たといえば
「スクワット50回」
「散歩1時間」
など、いきなりでこれは無理があります。
初日は勢いでできたとしても、長続きはしないでしょう。

では、
「スクワット20回」
「散歩20分」
ではどうか?
うーん、まだハードルが高いです。
何しろ、気力も体力もない状態ですからね。

ということで、
「スクワットなら1回」
「散歩に行けなくとも玄関先まで行って戻る」
などです。
これなら絶対にできる!というレベルからスタートすることです。
そんなんでいいの?と思われるかもしれませんが、いいんです(川平慈英)

そのかわり、毎日やってください。
多少調子が悪くてもできますよね?

毎日やり続けると、まったく苦にならなくなってきます。
むしろやらないと落ち着かなくなります。

そうなればしめたものです。

そしたら次の段階、徐々に回数を増やします。
「スクワット3回」
「玄関から出て陽の光を浴びて戻る」
など

このように、小さくはじめて徐々に増やす、これを繰り返していきます。

できたら褒める、ぜったい

そして毎日、クリアできたら必ず自分たちを褒めましょう。
「やった!スクワット1回できた!我々はすごい!」
ここまでがセットです。
ふざけてません。

「じゃあ、自分たちへのご褒美にお菓子を食べていい?」
それはダメに決まってます。
ふざけないでください。

ここまでの流れは、良い習慣を身につけるためのメソッドです。
運動習慣は介護する人される人、双方に最重要の習慣だと思います。
そしてその過程や経験も、すべて貴重なものとなるはずです。

まとめ

・介護者(あなた自身)も一緒に運動する
・小さくはじめて徐々に増やす
・達成したら自分たちを褒める(○言葉、✕お菓子)
・それらの経験は必ずあなた自身の財産になる

もし、
「すでに自分は運動しているYO」
「旅行にも連れて行ってるYO」
という人がいたら…
全力であやまります。どうもすみませんでした。

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